定期的に来てくれている方が「小指側の手首が痛い」とおっしゃっていたのでみてみました。
当サロンに来る前に、しっかりと整形外科にも行ってきてくれていました。
レントゲン、MRIで検査してもらい、整形外科では「三角繊維軟骨複合体損傷(TFCC損傷)」という診断。
湿布と痛み止めだけで、あとはとくに何も言われなかったのだそう。
手首の小指側には、前腕の尺骨という骨と手側の手根の間に隙間があります。そこに軟骨が入っていて、クッションの役割をしています。蛇口をひねる、ドアノブをひねる動作などで圧縮される場所です。軟骨と、その周りの靭帯によって手首の衝撃を和らげる役割をしています。
当サロンに来てくれたので、念のため
ギヨン管症候群(尺骨神経)の影響がないか、手根管症候群の影響はないか、小胸筋症候群の影響はないか、斜角筋症候群の影響はないか調べましたが問題なし。
神経支配の頚椎7〜8番の問題もありませんでした。
熱感や発赤も浮腫もなく、動作時の痛みのみ。
ただ、手首の関節(手関節)のズレがありました。
前腕と手の平側がズレてしまうことがあります。
方向でのわかりやすい説明が難しいので専門用語になりますが、解剖学的肢位の姿勢で前腕側が後方へ、手根側が前方へズレてしまっている状態です。
手首の小指側の痛みは、このズレの影響でした。
さらに、もう一つのズレの方向がありました。
解剖学的肢位で、前腕が外側へ、手根側が内側へズレていました。
関節のズレの確認というのは、可動域いっぱいまで動かして、正常な人と痛みのある人との違いを知っていればわかります。
一般的な教科書の解剖学通りの関節の動きというのは自分で手首を動かした際の動きのことで、関節自体を触って動かす際は教科書に載っている関節の動き以外の動きが少しあります。
手首の関節を矯正し、手首をひねる動作で確認すると痛みがなくなりました。
その1週間後に来てくれたので様子を伺ったところ、「テニスをしたらまた少し痛くなったけど前ほどじゃない」ということで前回同様に矯正、その2週間後にまた来てくれたので伺ったところ、痛みはもう出なかったそうです。
手首の関節の矯正については、カイロプラクティックのディバーシファイドテクニックを使っている人が早く改善することができると思いますが、それ以外のオステオパシーや整体や鍼灸などさまざまな手技療法でも改善例があるはずなので近所の院に聞いてみるといいですね。
本当にMRIで軟骨の断裂や損傷があり、または熱感や浮腫や発赤があるなら、ちゃんと病院で治療してもらうことになります。場合によっては手術かもしれません。
湿布と痛み止めを渡されとくに何も言われなかったのなら、手技療法の矯正などで改善することが多いです。